【共有不動産は勝手に利用することができるのか?】

土地でも、建物でも、複数の人間で不動産を所有することを「共有」と言います。
実は共有不動産については法律によって様々な定めがあります。
例えば、利用について。
一戸建ての住宅を2人の兄弟が共有しています。さて、この住宅、兄弟の1人だけで居住することは可能でしょうか?
答えは可能です。
共有不動産は、その全てについて、持ち分に応じた利用が可能とされています。そのため、共有者の1人が単独で居住することは可能です。
ただ、「持ち分に応じた利用」という点がポイントになります。他の共有者の求めがあった場合には、対応を取り決め、それに従う必要があります。
例えば以下のような対応が考えられます。
 ①共有者全員で利用する
 ②特定の共有者が利用し、他の共有者に利用料を支払う
 ③持ち分割合に応じて対象不動産を区分けする
 ④第三者に賃貸し、賃料を持ち分に応じて案分する
もちろん、共有者間での合意があれば、利用料を支払わずに共有者の1人が単独で利用することも可能です。
いずれにしても、しっかりと取り決めをすることが重要です。
子供、立っているのマンガのようです

投稿者プロフィール

森田 努
森田 努かんべ土地建物株式会社 鑑定企画室 室長
1976年、栃木県生まれ。横浜国立大学卒業。近畿日本ツーリスト株式会社、株式会社有線ブロードネットワークス(現・株式会社USEN)、株式会社アグレックスなど、さまざまな業界を経て平成20年に不動産鑑定士試験論文式試験に合格、平成23年不動産鑑定士登録。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター代表理事。
不動産鑑定士試験合格後、都内の不動産鑑定事務所において約2年間、不良債権に係るバルクセール案件の評価、メガバンク依頼による関連会社間における不動産売買にかかる評価など、年間100件以上の案件を手がける。
平成24年かんべ土地建物株式会社に入社後、30億円規模のリノベーションマンション、50億円規模のマンション予定地の売買価格の評価から、借地権及び底地の売買価格の評価まで幅広い案件に携わっている。
実際のマーケットを重視した適正・中立な鑑定評価を心がけ、近年は単なる鑑定評価に留まらず、遺言書の作成・遺留分の減殺請求・借地権や共有の解消といった不動産・相続問題のコンサルティングに力を入れている。
趣味はフットサル、サッカー観戦、料理(得意料理は煮魚)、旅行。
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