『寂しいですね』
コンサルの依頼者とLINEのやりとりの中で、被相続人の7周忌法要のハガキの写真が送られてきた。
依頼者は「2人きょうだい」で、そのハガキには、コロナ禍により法要は家族で執り行った。と書かれていた。
依頼者は呼ばれておらず、ハガキだけが届く。
理由は係争中だからだろう。
依頼者は、『この様な関係になってしまいました』とコメントしていた。
係争の経緯と未だ治らない状況を知っているだけあって、なんと答えたら良いかわからなず、『寂しいですね』とだけ答えた。
相続争いは避けれるなら避けた方が良い。
しかし、どうしても譲れない事もある。
被相続人が『きょうだい仲良く』と遺した言葉は実現できていないが、依頼者の譲れないものは『きょうだい仲良く』を壊した者への怒りである。
その為に依頼者は、闘いたいと言う。
『無理ですよ』と断る弁護士もいた。
他方で『その考えに賛同できます』と無理を承知で、知恵を絞り進まない調停を我慢強く進める弁護士もいる。
どちらが良い悪いではなく、価値観の違い。
不動産相続コンサルも同じ。
不動産コンサルタントが担う、不動産相続のコンサル業務は、不動産活用や不動産の実勢価格の助言や提案と、お客様の気持ちに共感し、戦略に落とし込むこと。
そして、時には、ナーバスになる依頼者を励まし支える。
簡単に『相続争いは良くない、譲る気持ちが大切だ』というコンサルも居る。依頼者の為、というがその本質はコンサルの為だと思う事が多い。
正直、面倒臭い仕事だ。
譲ってもらい終わった方が楽だ。
生産性は低い。
争う事のリスクをしっかり理解して貰ったのなら、納得するまで争う事も大切だ。
委任を受けて5年目、依頼者の気持ちを支えます。
投稿者プロフィール
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<事務所名/肩書き>
株式会社ダントラスト 代表取締役
株式会社 ムサシコンサルティング 代表取締役
宅地建物取引士
(公認)不動産コンサルティングマスター相続対策専門士
コミュニケーション能力認定1級
認定ファシリテーター(㈱プレスタイム社)
<プロフィール>
1969 年生まれ、東京都杉並区出身。
投資不動産デベロッパーにて、執行役員として150 棟を超えるマンション開発に携わる。
多くの専門家とのネットワークと、用地買収に不可欠な権利調整の実務経験を活かし、権利調整を得意とする、超実行型不動産コンサルティングとして、平成25年3月に独立開業。
令和元年(公益財団法人)不動産流通推進センター主催の事例発表会にて、近隣紛争中の再建築不可物件を再建築可能にした事例(埼玉県飯能市の潜在空き家の活用事例)にて、「不動産エバリューション部門」優秀賞を受賞。
現在、全日本不動産協会東京本部中野杉並支部行政担当(杉並区)副委員長を務め、行政が抱える不動産課題の解決に尽力している。
<セミナー講師及び相談員等の活動実績>
・全日本不動産協会 神奈川支部及び神奈川本部海老名支部の法定研修会をはじめ、某生命保険会社の社内研修、不動産コンサルティング協会(東京支部、静岡支部)・NPO法人相続アドバイザー協議会・一般社団法人全国空き家相談士協会・その他建築会社の家主向けセミナーなど数多くの講師を務める。
<主な著書など>
相続コンサルの奥義(プラチナ出版)
週刊住宅 平成30年11月12日号から「誰でもできる権利調整コンサル」を隔週掲載
週刊現代
平成31年1月5日、12日号「死ぬ前と死んだあと」特集に寄稿
令和元年9月14日、21日号 『あなたの人生、老親の人生「最後の一週間」の過ごし方』特集に寄稿
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