『建築基準法43条2項2号の許可』

建築基準法43条の1項によって、道路の接道が2㍍未満ですと、建物の建築ができません。
この法律の施行前に建てられた多くの旗竿地の通路間口が1.8㍍程度のため、建物の再建築ができない「再建築不可物件」となり、空き家問題の要因の一つになっています。
この1項の例外として2項2号で建築審査会の許可を受ければ、適法に建物が新築できる事とされています。
しかし、建築審査会に申請しなければ結果が確定しないので、リスクのある再建築不可物件を購入して新築戸建てを建築分譲する開発業者はいません。
弊社は戸建て開発業者ではないので(というか本業なので)購入します。
スタッフの三枝くんが、1年以上にわたり近隣住民の信頼関係を構築し、この法律が求める要件(審査会での承認要件)について、近隣住民の承諾合意書を頂きました。
仲間の戸建て業者さんの設計士さんが、行政の建築審査会の担当に合意書を確認してもらい、審査可否の可能性を確認したところ「概ねいけそう」との回答がありました。
後は審査会に実際に申請するしかありません。
この許可を得て初めて建物が新築できます。
因みにこの土地には老朽化したアパートが建っています。ボロボロだけど入居者がいます。
彼らとは転居合意済み(というか入居者は転居したい)ですが、自力での転居は厳しく、なんとか力を貸してあげたいのですが、弊社としても再建築できなければ、転居費用を負担してあげられません。
この仕事は『公益』と『経済』と『法律』の相互間にある隙間を「感情」で埋めてバランスをとりながら解決してゆく仕事です。
その成果がはっきりする8月の審査会が楽しみです。

投稿者プロフィール

堀田直宏
堀田直宏株式会社ダントラスト 代表取締役
<事務所名/肩書き>
株式会社ダントラスト 代表取締役
株式会社 ムサシコンサルティング 代表取締役

宅地建物取引士
(公認)不動産コンサルティングマスター相続対策専門士
コミュニケーション能力認定1級
認定ファシリテーター(㈱プレスタイム社)
 
<プロフィール>
1969 年生まれ、東京都杉並区出身。
投資不動産デベロッパーにて、執行役員として150 棟を超えるマンション開発に携わる。
多くの専門家とのネットワークと、用地買収に不可欠な権利調整の実務経験を活かし、権利調整を得意とする、超実行型不動産コンサルティングとして、平成25年3月に独立開業。
令和元年(公益財団法人)不動産流通推進センター主催の事例発表会にて、近隣紛争中の再建築不可物件を再建築可能にした事例(埼玉県飯能市の潜在空き家の活用事例)にて、「不動産エバリューション部門」優秀賞を受賞。
現在、全日本不動産協会東京本部中野杉並支部行政担当(杉並区)副委員長を務め、行政が抱える不動産課題の解決に尽力している。

<セミナー講師及び相談員等の活動実績>
・全日本不動産協会 神奈川支部及び神奈川本部海老名支部の法定研修会をはじめ、某生命保険会社の社内研修、不動産コンサルティング協会(東京支部、静岡支部)・NPO法人相続アドバイザー協議会・一般社団法人全国空き家相談士協会・その他建築会社の家主向けセミナーなど数多くの講師を務める。

<主な著書など>
相続コンサルの奥義(プラチナ出版)
週刊住宅 平成30年11月12日号から「誰でもできる権利調整コンサル」を隔週掲載

週刊現代 
平成31年1月5日、12日号「死ぬ前と死んだあと」特集に寄稿
令和元年9月14日、21日号 『あなたの人生、老親の人生「最後の一週間」の過ごし方』特集に寄稿

前の記事

『越境』

次の記事