【規模大による減価の発生】

不動産の評価において、マンション用地やビル用地は除いた、戸建住宅用地などの場合、「土地の面積が大きくなると単価は下がる」という考え方があります。
これはどういったことでしょうか?
100,000円/㎡の土地があったとして、これを例に解説してみます。
■100㎡の場合
 総額で10,000,000円となり、戸建住宅用地としてこれを購入することができる需要者の数は少なくないと思われます。
■1,000㎡の場合
 総額で1億円となり、戸建住宅用地として購入することができるのは、少数の富裕層や不動産業者などに限られてしまいます。
 この場合、売主としてはワンチャンスで売れないと、新たな買主を探すのは困難なので以下のような選択肢が生まれます。
  ①ディスカウントしてお買い得感を出して、個人の方に買ってもらう。
  ②個人ではなく、不動産業者に買ってもらう。不動産業者の場合、戸建分譲素地としての仕入れ価格(割安な価格)になる。
いずれの選択肢であったとしても、、100,000円/㎡という単価よりも減価が生じてしまいます。これを規模大による減価と言います。

投稿者プロフィール

森田 努
森田 努かんべ土地建物株式会社 鑑定企画室 室長
1976年、栃木県生まれ。横浜国立大学卒業。近畿日本ツーリスト株式会社、株式会社有線ブロードネットワークス(現・株式会社USEN)、株式会社アグレックスなど、さまざまな業界を経て平成20年に不動産鑑定士試験論文式試験に合格、平成23年不動産鑑定士登録。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター代表理事。
不動産鑑定士試験合格後、都内の不動産鑑定事務所において約2年間、不良債権に係るバルクセール案件の評価、メガバンク依頼による関連会社間における不動産売買にかかる評価など、年間100件以上の案件を手がける。
平成24年かんべ土地建物株式会社に入社後、30億円規模のリノベーションマンション、50億円規模のマンション予定地の売買価格の評価から、借地権及び底地の売買価格の評価まで幅広い案件に携わっている。
実際のマーケットを重視した適正・中立な鑑定評価を心がけ、近年は単なる鑑定評価に留まらず、遺言書の作成・遺留分の減殺請求・借地権や共有の解消といった不動産・相続問題のコンサルティングに力を入れている。
趣味はフットサル、サッカー観戦、料理(得意料理は煮魚)、旅行。