【無道路地】

 都市計画区域内においては建築基準法に定める道路に2m以上接していないと建物を建てることができず、そのような土地はいわゆる無道路地となります。
 この無道路地、そのままでは建物を建てることができないので、通常の土地に比べて価格が非常に安くなります。ただ、どこまで安くなるのか?は大きな論点になります。
 この点、相続税評価における財産評価基本通達では、当該無道路地と道路の間にある土地を取得し、接道を確保するものとし、その取得費用相当額を考慮して無道路地の評価をします。簡単に言えば、当該無道路地が道路に接していた場合の価格を求め、そこから接道を確保するための費用を控除するのです。
ところが、実際には接道確保のための費用云々ではない場合があります。例えば、当該無道路地と道路との間の土地にめいいっぱい建物が建っている場合。この場合、建物を解体しなければ接道を確保することができないのですが、前面土地の所有者がそれを簡単に了承するとは思えません。もしかすると、前面の土地すべてを買い取ってくれと言ってくる可能性もあります。
 こういった場合には前面の土地の規模やその上の建物の築年等を考慮して、合理的に判断をすることになります。そして、状況によっては上記の相続税評価における評価額を大きく下回るような評価額になることもあります。
 遺産分割協議や、同族間における不動産売買等、正確な評価額を把握する必要があるケースは様々ですが、無道路地については、しっかりとしたロジックのもとに合理的な判断をし、適切な評価をする必要があります。
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投稿者プロフィール

森田努
森田努かんべ土地建物株式会社 鑑定企画室 室長
1976年、栃木県生まれ。横浜国立大学卒業。近畿日本ツーリスト株式会社、株式会社有線ブロードネットワークス(現・株式会社USEN)、株式会社アグレックスなど、さまざまな業界を経て平成20年に不動産鑑定士試験論文式試験に合格、平成23年不動産鑑定士登録。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター代表理事。
不動産鑑定士試験合格後、都内の不動産鑑定事務所において約2年間、不良債権に係るバルクセール案件の評価、メガバンク依頼による関連会社間における不動産売買にかかる評価など、年間100件以上の案件を手がける。
平成24年かんべ土地建物株式会社に入社後、30億円規模のリノベーションマンション、50億円規模のマンション予定地の売買価格の評価から、借地権及び底地の売買価格の評価まで幅広い案件に携わっている。
実際のマーケットを重視した適正・中立な鑑定評価を心がけ、近年は単なる鑑定評価に留まらず、遺言書の作成・遺留分の減殺請求・借地権や共有の解消といった不動産・相続問題のコンサルティングに力を入れている。
趣味はフットサル、サッカー観戦、料理(得意料理は煮魚)、旅行。

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